総合医・家庭医養成コース

背景

千葉県立病院群では、地域医療の救急診療・外来診療・入院診療などを担う病院基盤型の総合医・家庭医の育成を目的として、平成19年に日本家庭医療学会後期研修プログラム『わかしお』を立ち上げ、複数名の後期研修医を育成してきました。平成26年度末(旧)東金病院の閉院に伴い、一般内科診療機能が千葉県循環器病センターにひきつがれました。 千葉県循環器病センターは千葉県市原医療圏にあり,平成10年の開設以来、循環器系疾患、脳神経系疾患に対する高度医療を全県レベルで広く行うセンター機能と一般系診療科を中心とした地域中核病院機能の双方を担ってきた病院です。千葉県では、急速に進む地域の高齢化や一人多病の慢性疾患をもつ高齢者の増加により、これまで以上に病院基盤型の総合医・家庭医育成の需要が高まっています。 今回、千葉県循環器病センターを基幹施設とし、高齢化に対応した地域医療ニーズに答えられる医師の育成を目的とする新たな総合診療専門医の養成プログラムをたちあげました。

目次

当プログラムの紹介・PDF版

プログラム内容(PDFファイル/約237kb)

当プログラムの理念と目標

プログラムの理念は、総合診療専門医の質の向上を図り、国民の健康・福祉に貢献することを第一の目的とする。
地域で活躍する総合診療専門医が誇りや充実感をもって診療等に従事できる専門医資格となるよう、総合診療専門医の取得を目指す若手医師にとって確固たるキャリアにつながる制度となることを目指す。
全体的な研修目標は、患者、家族のマネジメントに必要な知識、技能、態度を身につけ、患者中心の医療を実現するために多職種連携をはかり、地域完結型の医療の統合的実践ができる総合診療専門医になることである。医療・福祉・介護にわたるtotal management能力を身につけ、地域においては家庭医として、地域中核病院では病院勤務の総合医としての役割を担うことができる幅広い応用力をもった総合診療専門医になることを目標としている。また、多職種との連携指導、行政対応、経営を含めた病院運営などについても研修する。

当プログラムの概要

当プログラムは地域病院基盤型の総合医・家庭医養成コースで、基幹施設(千葉県循環器病センター)と7つの連携施設群で構成されています。
千葉県循環器病センターは循環器疾患、血管疾患、脳卒中に対する2次から3次救急(年間救急搬送件数約2000件)までの高度専門治療を24時間体制で提供するとともに市原医療圏南部の地域医療を担っています。内科、救急、総合診療Uを担当する指導医の多くはサブスペシャリティ領域の専門医であり、心臓疾患、血管疾患、脳神経系疾患については1次から3次まですべてのレベルでの診療を学ぶ事が可能です。一般病床以外に、ICU,CCU病棟、脳卒中ケア病棟、地域包括ケア病棟が配備されており、それぞれの場で特色のある治療内容を学び、入院から退院、転院まで様々な病期の患者さんへの対応を経験することができます。 初年度の内科研修では基本的な診断モダリティとしてのエコー検査も習得します。
以下に7つの連携施設をご紹介いたします。
千葉県立佐原病院は地域包括ケア分野で香取海匝保健医療圏を代表する病院で、内科外科、整形外科診療および訪問看護を中心とした在宅医療分野において貢献している施設です。
東庄病院は東庄町唯一の病院で東庄町保健福祉総合センターを併設し、健康福祉課(保健衛生係、介護保険係、福祉係)、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、デイサービスセンターなど、保健・福祉・介護と連携し地域包括医療・ケアを提供しています。
いすみ医療センターは山武長生夷隅保健医療圏に位置し、在宅医療の症例が豊富で自治体と提携した健康増進や予防医学活動が盛んです。
小児科研修先である東京女子医科大学八千代医療センターは印旛保健医療圏の総合大学病院の小児総合医療施設(全国31施設)で、特に初診を数多く経験し、小児特有の疾患を含む日常的に遭遇する症候や疾患について経験することができます。
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科は地域周産母子センタークラスの病院として市原医療圏および近隣医療圏におけるほぼすべての婦人科救急を受けています。
千葉県精神科医療センターは全国に先駆けて精神科救急体制を整備した専門施設で、救急疾患を含め総合診療専門研修の経験目標を達成するのに有用な精神科領域のcommon diseaseの診療を経験することが可能です。
坂本医院は香取海匝保健医療圏にて内科、消化器内科、小児科診療を行うクリニックで消化器病専門医、肝臓専門医、消化器内視鏡専門医が在籍しています。地区医師会の役員として地域医療活動にも貢献されており医師会活動について学ぶことも可能です。

研修は、卒後3年目からの専門研修(後期研修)3年間で構成されます。

  • 1年次修了時には、患者の情報を過不足なく明確に指導医や関連職種に報告し、健康問題 を迅速かつ正確に同定することを目標とします。内科専門研修では内視鏡検査(上部・消化管を中心に)および超音波検査(腹部エコー・心エコー・頸動脈エコー・下肢静脈エコー等)の基本手技をマスターし、2年次3年次の研修へつなぎます。
  • 2年次修了時には、診断や治療プロセスも標準的で患者を取り巻く背景も安定しているような比較的単純な健康問題に対して的確なマネジメントを提供することを目標とします。
  • 3年次修了時には、多疾患合併で診断や治療プロセスに困難さがあり、患者を取り巻く背景も疾患に影響しているような複雑な健康問題に対しても的確なマネジメントを提供することができ、かつ指導できることを目標とします。
  • また、総合診療専門医は日常遭遇する疾病と傷害等に対する適切な初期対応と必要に応じた継続的な診療を提供するだけでなく、地域のニーズを踏まえた疾病の予防、介護、看とりなど保健・医療・介護・福祉活動に取り組むことが求められますので、21ヶ月の総合診療専門研修T及びUにおいて地域ケアの学びを重点的に展開することとなります。

当プログラムは日本プライマリ・ケア連合学会の2017年度家庭医療後期研修プログラムに認定されており、プログラム終了後には家庭医療専門医の資格を取得できます。

(参考)
日本専門医機構は総合診療専門医プログラム延期決定後に以下の声明(2016.8.5)を出しており、当プログラムはこれを受けて申請しています。

                                     ----声明文----
「臨床研修医の不安、関連領域の関係者の混乱を回避する目的で、平成29年度から総合診療専門医を目指す専攻医予定者に対してはプライマリ・ケア連合学会が運営している現行の家庭医療専門医を取得する道があることを勧める。そして、該当のプライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医の取得を目指す研修医が不利益を蒙らない何らかの措置を講ずる」

家庭医療専門医・資格取得の要件

日本プライマリ・ケア連合学会のホームページを参照ください。

研修モデル案 

本研修 PG の施設群による研修コース例を示します。専門研修 1 年目は基幹施設である千葉県循環器病センターで内科および救急科、東京女子医科大学八千代医療センター小児科で小児科の領域別必須研修を行います。専門研修2年目は地域包括ケアシステムを実践している千葉県立佐原病院で総合診療専門研修Tおよび東庄病院またはいすみ医療センターのいずれかで総合診療専門研修Uの必須研修を行います。 専門研修3年目の前半は、千葉県循環器病センターで総合診療専門研修Uの必須研修を行います。
専門研修3年目の後半は、帝京大学ちば総合医療センター産婦人科で産婦人科、千葉県精神科医療センターで精神科の研修を行うほか、基幹施設の千葉県循環器病センターで外科・整形外科・皮膚科・精神科等の研修を行い、総合診療専門医に必要な知識や技能を補うほか、総合診療専門研修Uを行います。

千葉県循環器病センター
内科研修:6カ月
千葉県循環器
救急科研修:3カ月
女子医八千代
小児科研修:3カ月
千葉県立佐原病院
総合診療T研修:9カ月
東庄病院・いすみ医療センター
総合診療U研修:3カ月
千葉県循環器病センター
総合診療U研修:6カ月
帝京ちば総合
産婦人科研修:3カ月
千葉県循環器など
その他領域研修:3カ月
研修ローテーション例
本研修PGの研修期間は3年間としていますが、修得が不十分な場合は修得できるまでの期間を延長することになります

カリキュラム責任者・指導医

プログラム責任者
  千葉県循環器病センター 診療部長 岡嶋良知

総合診療専門研修T
  千葉県立佐原病院 小林進、中堀進
  坂本医院 坂本文夫

総合診療専門研修U
  千葉県循環器病センター 岡嶋良知、村山博和、加賀谷浩基
  東庄病院 高石佳則
  いすみ医療センター 伴俊明、柴田貴久、佐藤暁幸

内科(循環器・消化器・脳神経・腎臓・糖尿病代謝・血管)
  千葉県循環器病センター   藍 寿司(消化器)ほか各診療科指導医師

小児科
  東京女子医大八千代医療センター小児科   高梨潤一

救急科
  千葉県循環器病センター   赤荻悠一、林永規、伊藤 良浩

精神科
  千葉県精神医療センター   澁谷孝之

産科婦人科
  帝京大学ちば医療センター産婦人科   梁善光

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