研修医インタビュー〜千葉県立病院群で研修してみて〜

清水太郎研修医

清水研修医写真

「目の前にあることを一つ一つ確実にこなしていってほしいと思います。」

Q1.千葉県立病院群を卒後の臨床研修先をして選んだ理由を教えてください。

Ans. 元々漠然と医師になりたいという気持ちはありましたが、前の大学に通っていた20歳の頃に親友を消化器系の悪性腫瘍で亡くし、その気持ちに拍車がかかりました。それ以来とりわけ消化器外科医を志してきましたが、やはり癌とは切っても切り離せない領域ということもあり「がんセンター」での研修に魅力を感じ始めました。

Q2.清水さんは研修を開始してがんセンター、救急医療センター、佐原病院と3病院で研修をされていますが、それぞれの特徴を教えてください。

Ans. まずがんセンターですが、研修期間がまだ1ヵ月半程度ですから特徴と言えることはつかめていないのが現状です。手術にしても化学療法にしても非常に先進的な治療が行われておりますので、それらに触れることができるというメリットがある一方、逆にデメリットに感じる部分もあります。理由は、内容が高度であるために1年目の研修医には出来うる範囲が限られてしまうということ。もちろん、日々回診に付いたり手術に入る等の業務はありますが、「ここで何かを掴もう」という意欲がなければ、せっかくの研修期間を棒に振ってしまいかねないとも感じています。ですから、逆にこういった意欲さえあればとても得るものの多い、充実した生活になるでしょう。

次に救急医療センターですが、こちらは三次救急の病院でした。研修医は集中治療科に配属され、ICU・CCU・BCUでの刻々と変化する患者さんの全身状態を把握し、または予測しながら指導医の先生方と治療方針について考える日々でした。この時は各種検査結果等はもちろんのこと、何よりも患者さんに「直接触れる」ことが重要でしたね。こちらでの2ヶ月間の研修を通して、たとえ一端であっても全身管理について学ぶことができたことは非常に有益でした。また、急患が搬送されて来て一刻を争う中、研修医が担う点滴ラインの確保や採血は大きなプレッシャーになりますが、こうした基本的な手技は今後のスキルアップにつながると思います。そしてその傍らで、各領域の先生方が行う初期治療を目で盗むことが出来るというのも良い経験になりました。

地域の中核病院、佐原病院は千葉県と茨城県の県境にあり、いわゆる医療過疎地域に位置しています。患者さんの数に対して医師の数は十分ではなく、特に内科では1年目の研修医でも即戦力として扱われました。右も左もわからない中、指導医の先生方や2年目研修医の先生方、看護師さんやその他のスタッフさんからのサポートを受けながら、少しずつではありましたがステップアップすることができたと自負しています。指導医の先生方からアドバイスを受けつつも、基本的には一人で診断から治療と進めていくことは良い勉強になりました。一時は20名の患者さんを受け持ち、急変があれば深夜でも駆けつけましたが、微力でも役に立てることがあるという喜びから、当時の生活を苦に感じることはありませんでした。一方外科では、入院している患者さん70名について、毎朝病状をプレゼンしなければなりませんでした。ポイントを的確に把握しなければならないことに苦戦しつつも、私にとって大きなプラスになったのは間違いありません。そしてこちらの外科は、部長を筆頭に、手術のみならず術後管理や長期の経過フォローにいたるまで、極めて質の高い医療が行われており、非常に有益な研修生活を送ることができました。

Q3.これまでの研修の中で、特に印象に残る診療科や経験した症例があれば教えてください。

Ans. 研修医になり2ヶ月程の頃、佐原病院で内科研修を行っていた時、重症肺炎のおばあさまが入院され、受け持つことになりました。結局あらゆる治療の甲斐なく、入院後5日で他界されたのですが、それまで毎日病院へ泊り込んで、昼夜を問わず1〜2時間おきに病室を訪れました。その度に患者さんは私の手を握り、「先生、悪いねぇ」と一言。死亡を確認後、ご家族から「たった数日間でしたが、先生には今まで担当してくれたどの先生よりもお世話になりました」との言葉をいただきました。帰宅後、思い切り泣いてしまったことを覚えています。今振り返っても治療に問題はなかったのですが、自分自身と医療の無力さを大いに感じた出来事で、自分の不勉強のために患者さんを救えないということがあってはならないと強く思いました。この一件は多かれ少なかれ、今の自分の原動力になっています。

Q4.医学生へ向けて、一言お願いします。

呼吸器手術写真

Ans. 現在医学生の皆さんは、卒業試験や国家試験等で頭がいっぱいかもしれませんね。やるべきことは山のようにあると思いますが、目の前にあることを一つ一つ確実にこなしていってほしいと思います。そしてとても大切な研修先の選択ですが、ぜひ実際に見学して決めていただきたいですね。私が研修しているこちらの千葉県立病院群では、専門病院では高度医療を、そして地域の中核病院では地域医療をしっかりと研修することができます。自分の将来と向き合って、自分にあう研修先に出会えるように頑張ってください。


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